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アングル:暗号資産ブームのパキスタン、後手に回る法規制がネック
アングル:暗号資産ブームのパキスタン、後手に回る法規制がネック

参加者は副収入を得たい主婦から採掘用装置の購入を望む裕福な投資家まで、多岐にわたる。多くの人は従来の株式市場の仕組みすらほとんど理解していないが、それでも誰もが稼ぎを得ようという熱意にあふれている。

「質問コーナーを設けるとメッセージが殺到するため、何時間もかけて質問に答え、暗号資産の基本を教えている」と語るアフマドさんは、ビットコインの採掘の方が儲かると考え、2014年に仕事を辞めた。

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パキスタンでは、暗号資産の取引や採掘がブームになっており、ソーシャルメディアでは関連動画が何千回も再生され、オンライン取引所で数多くの売買が行われている。

パキスタンでは暗号資産は違法ではない。しかし、世界各国・地域のマネーロンダリング(資金洗浄)などの対策を調べる国際組織「金融活動作業部会」(FATF)は、テロ資金や資金洗浄の監視が甘いとして、パキスタンを「灰色リスト」に入れている。

こうした動きを受けて、パキスタン政府は暗号資産の規制を検討する委員会を立ち上げた。同委員会にはFATFがオブザーバーとして加わっているほか、パキスタン政府の閣僚や情報機関の責任者などが参加している。

オックスフォード・フロンティア・キャピタルのパートナーで、カラチの証券会社の会長でもある委員会メンバーのアリ・ファリド・クワジャ氏は「メンバーの半分が暗号資産が何かを全く理解せず、理解しようともしていなかった」という。

一方で、クワジャ氏は「委員会が立ち上げられたのは良かった。成果を出さざるを得ない政府関係機関が委員会を支援しており、誰も技術革新の邪魔をしようとしないのは見込みがある」と期待も寄せる。

パキスタン中央銀行のバキル総裁は今年4月のCNNテレビで、中央銀行デジタル通貨(CBDC)を検討していると述べ、簿外の取引を規制の枠組みに組み込む可能性に言及。「数カ月以内に何らかの発表が可能になる」と表明した。

総裁はこの発言について、ロイターからのコメント要請に応じなかった。

暗号資産は、教育界でも注目を集めている。国内有数の大学であるラホール経営科学大学は今年2月、ビットコインをアプリやスマートコントラクトに結びつけるブロックチェーンネットワークのスタックス社から、410万ドルの研究助成金を受けた。

<スピード不足>

ただ、暗号資産の普及を支持する人々にとって、関連する法律の整備や投資は、十分なスピードとは到底言えない。

金融機関が資金洗浄に絡む懸念から、暗号資産の取引を手掛ける人々に疑いの目が向けられてきたということもある。

アフマドさんはこれまでに2度、連邦捜査局(FIA)に逮捕され、資金洗浄と電子詐欺の容疑で起訴されたが、裁判では無罪となった。

アフマドさんは同国北部、カイバル・パクトゥンクワ州のシャングラに設置した、自前の水力発電で稼働する暗号資産採掘施設をFIAに押収されたこともあるという。FIAは、ロイターのコメント要請に応じなかった。

ユーチューブで100万人以上のフォロワーを持つ元テレビ司会者のワカール・ザカさんは、暗号資産業界の合法化とこの業界への公的投資を何年も政府に働きかけてきた。ザカさんもアフマドさんと同様に、水力発電を利用した暗号資産採掘施設を立ち上げている。

今年初めにカイバル・パクトゥンクワ州政府は、暗号資産関連ベンチャーから利益を得る方法を検討する委員会のメンバーにザカさんとアフマドさんを起用。3月にはザカさんの施設をひな形に、新たな採掘施設の設立を検討していると発表した。

もっとも州政府は、暗号資産に関する新たな政策は連邦政府が扱うべきだとして、6月にこの委員会を解散した。

課題はあるが、パキスタンの暗号資産ブームは止む気配がない。

パキスタンを拠点とするソーシャルメディアグループには、暗号資産の取引や採掘の方法を説明するものが多く、中にはフェイスブックのフォロワー数が数万人に達するグループもある。ユーチューブではウルドゥー語で書かれた暗号資産の動画が、何十万回も再生されている。

ローカルビットコインズ・ドット・コムのようにパキスタン国外に拠点を置くオンライン暗号資産取引所には、何百人というパキスタン人トレーダーが登録しており、何千件もの取引実績を持つトレーダーもいる。

ウェブ分析会社・シミラーウェブによると、バイナンスやBinomoなど暗号資産取引アプリは、国内最大手クラスの銀行のアプリよりもダウンロード数が多い。

アフマドさんは「暗号資産を止めることはできないのだから、パキスタンは規制を設けて世界の他の国と一緒になるのが、早ければ早いほど好ましい」と話した。

(Umar Farooq記者)

 

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